特定技能制度および育成就労制度は、2027年4月より本格的に運用が開始される予定です。現在、国において2025年12月までの運用要領の策定に向けて、具体的な検討が進められています。
1.移行可能な分野の整理と育成就労制度の対象外業種について
2025年5月時点で、特定技能制度の対象は以下の16分野です。ただし、育成就労制度では「特定技能へ移行することを前提として教育すること」が基本方針とされているため、一定の専門免許が必要な業種などは除外される見込みです。具体的には、自動車運送業や航空業は、育成就労制度の対象外となる予定です。

なお、従来の技能実習制度では特定技能への移行ができなかった分野も、育成就労制度では対象に含まれる予定です。今後の制度運用に向けて、自社の事業がどの分野に該当するか、どの制度を活用するかを早期に検討し、年内に決定される運用要領の内容を踏まえて採用計画を立てていくことが重要です。
2.新たに追加される予定の分野について
特定技能制度では、深刻な人手不足が続く分野を中心に対象業種の拡大が図られています。現在、以下の3分野が新たに追加される方向で詳細が検討されており、該当分野に携わる事業者にとっては外国人材の受け入れを通じて人手不足を解消する好機となります。

3.分野内業務区分の見直しと拡大
特定技能制度の受け入れ対象を拡充する一環として、次のような業務区分の見直しも進められています。これにより、これまで日本標準産業分類に該当せず対象外とされていた事業者も、制度活用の可能性が広がります。
(1)業務区分の追加(2)業務内容の追加(3)業務区分の細分化・再整理
各分野における業務内容は今後さらに明確化される予定ですので、自社が該当するかどうかを随時確認していくことが重要です。 今後の制度動向を注視し、変更に柔軟に対応できる体制づくりを早期に進めておくことが、将来の人材確保に向けた大きな鍵となるでしょう。