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就労支援・就労移行等の監査対応のポイント(会計処理について)

就労移行支援、就労継続支援A型事業及び就労継続支援B型事業における会計処理にあたっては、就労支援事業における生産活動に係る会計とその他の活動に係る会計を区分すべきことが定められています。

 

<就労支援事業会計基準の基本的な考え方>

工賃は、生産活動に係る事業の収入から、生産活動に係る事業に必要な経費を控除した額に相当する金額を利用者に支払わなければならない。

(指定基準省令第85条(生活介護)、第184条準用85条(就労移行支援)第192条第3項(A型)、第201条第1項(B型))

 

 

そのため、事業ごとの会計、さらには「生産活動に係る事業の収入」と「生産活動に係る事業に必要な経費」を把握できないと、基準通りに賃金及び工賃が算定できているか判断できないことになります。

 

ポイント1☞生産活動に係る会計と福祉事業活動に係る会計とを明確に区分すること。

さらに、実施する就労支援事業ごとに会計区分を設けること。

 

ポイント2☞共通経費については按分すること。

 

複数の事業間 (多機能型事業所として複数事業を行う場合を含む)、 福祉事業活動と生産活動間、 作業種別、 製造原価と販管費において、 共通経費が発生することがあります。共通経費は、合理的な基準に基づき適正に按分処理をする必要があります。その按分方法は、一律に定められるものではなく、各法人が事業の実態に応じて按分方法を決定し、明確かつ適正な賃金・工賃の算出をするための基準として活用します。

※一度採用した按分基準は、継続性の原則に従い、合理的な理由がない限りは変更してはいけません。

 

 

 

以上、賃金向上計画書や経営改善計画書の作成時にも必要となりますので、会計処理について今一度見直してみてはいかがでしょうか。詳しくは厚生労働省発出の「就労支援事業会計の運用ガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001004096.pdf)をご参考ください。